テーマ(設問)の役割
●短いテーマの中にも、出題者の知りたいことが隠されています。
●テーマ型小論文は設問があるのみで課題文やデータなどのヒントがありません。テーマにある情報だけから小論文を書く必要があります。
●テーマに沿う内容であれば、さまざまな方向から書くことができます。
テーマ(設問)からどう考えるか
●テーマをよく読み、どのようなことが求められているのか考えましょう。
●テーマから思い浮かぶことがらをたくさん挙げてみましょう。
●たくさん挙げたことがらの中から、設問にふさわしいことがらは何か、具体例を挙げて説明しやすいことがらは何かを決定しましょう。
テーマをどう扱うか
●テーマにある言葉は必ず用いて述べるようにしましょう。
●賛否を問われているのか、解決策が求められているのか、などの条件に注意し、テーマに対する意見になっているか確認しましょう。
●入試での出題の場合、出題学部も考慮し、どのような方向から書くか検討しましょう。
課題文の役割
●課題文には、考察させる内容を限定したり、基本的な知識を提供したりする役割があります。
●課題文が何のためにあるのか、出題者の意図を考えることが大事です。
課題文をどう読むか
●次のような意識を持って読むことが大切です。
1 論点は何か。(筆者が何を問題とし、どのような切り口で、どのような論点を取り上げているか)
2 主張は何か。(筆者の意見がどこに書かれているか)
3 論拠は何か。(根拠としている事例はどのようなものか)
4 筆者の意見やその具体例はどこか。(筆者が一番言いたいことは何か。それを説明するためにどのような具体例を用いているか)
●じっくり読み取る場合は、段落ごとに内容をつかんでいきましょう。その段落が全体の中でどのような意味を持っているのか(問題提起か、例を挙げているのか、意見なのか)を考えていくと、読み取りが早くできます。
課題文をどう扱うか
●課題文無視はタブーです。課題文の内容には必ず言及しましょう。筆者の主張部分を引用するとよいでしょう。
●課題文の感想で終わってはいけません。必ず、自分の意見を述べましょう。
●課題文の意見を自分の意見かのように、そのままなぞるのもよくありません。自分の言葉で述べるようにしましょう。
課題文型小論文を書くプロセス
1)課題で問われていることがらを正確に読み取る。
2)課題文の要点をつかむ。
3)課題文の内容とかかわらせて、自分の考え(=主題)を明確にしておく。
4)3)で定めた「主題」の裏付けとなる「根拠」を集める。
5)文章の全体的な流れを考える。
6)5)をふまえて、最適な段落構成を検討する。
7)小論文を書く。
8)小論文を読み返し、推敲する。
英文課題文型の場合
課題文は日本語の文章だけでなく、英文が用いられる場合もあります。以下のようなパターンが一般的です。
1 小論文と名がつくものの、実際は英語の力を試す目的のもの
大学入試で課される英語の試験と同様の注意が必要ですが、「小論文試験」として出題されているので、英文中で話題になっていることがらや指示語の内容を日本語でまとめさせる設問が見られることには注意しておいた方がよいでしょう。
2 課題文としての英文をもとに自分の意見、考えを日本語で述べることを求めるもの
英文の主旨を正確に把握しさえすれば、その後の考え方・書き方は日本語による課題文型小論文と同じです。英語の理解力が必要なのはもちろんですが、必要以上に細部にこだわらず、論展開やキーワードを手がかりに英文の主旨を把握する読みを練習するとよいでしょう。
3 1と2の融合型
1と2の両方が求められます。正確かつ素早く英文を読む力が、特に試されると言ってよいでしょう。
データの役割
文章化されていない客観的なデータを解答者がどのように「読む」か、つまり「資料分析力」が求められます。
データをどう読むか
データを読む際には以下の点に注意することが大切です。
1 論点は何か
何について考えさせ、述べさせたいためのデータか。
2 着眼点はどこか
●最大値・最小値・平均値。
●数値・割合が大きく増減しているところ。
●他と比べて大きな差があるところ。
データをどう活用するか
●与えられたデータを使うことが鉄則です。必ず活用しましょう。
●データからどのような状況が考えられるか、データに現れた数値の要因は何か、それらをもとに自分はどう考えるかを述べることが必要です。
●複数のデータがある場合、特に指示がない限りはすべてのデータを関連させ、適切に用いましょう。
データ型小論文を書くプロセス
1) 課題で問われていることがらを正確に読み取る。
2) データの要点をつかむ。
3) データの内容とかかわらせて、自分の考え(=主題)を明確にしておく。
4) 3)で定めた「主題」の裏付けとなる「根拠」を集める。
5) 文章の全体的な流れを考える。
6) 5)をふまえて、最適な段落構成を検討する。
7) 小論文を書く。
8) 小論文を読み返し、推敲する。
融合型小論文を書くときのポイント
●与えられた資料を総合的に見て、論点を取り出しましょう。複数の資料はばらばらに読み取るのではなく、総合的にとらえる必要があります。また、それぞれの資料をどのように利用できるか(問題提起として、解決策へのヒントとして、など)を見極め、適切に活用することが重要です。
教科型小論文を書くときのポイント
●教科の論述問題では、「知識の正確さ」とともに、その知識を応用して論じることが重要です。教科で学習した知識を総動員しましょう。また、基本的な数値・公式などは確実に押さえておきましょう。