熊本県立松橋高校:『言語力ドリル』の学習を通して、進路実現のための基礎力を高める

熊本県立松橋高校は、熊本県宇城市にある公立高校です。
今回は、弊社営業担当者より「『論理の力』を育てるシリーズ」の価値にいち早く気づき、採用を進めてくださった先生がいらっしゃる、というお話を聞き、取材させていただく運びとなりました。

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【目次】

1.学校紹介

2.指導のご様子

■『言語力ドリル』で聞く力を高める

■添削教材を活用し、基本的な書く力の向上、自己PRの具体化を図る

■個別指導で個々の力をさらに高める

3.まとめ 生徒さんのご様子、今後のビジョン


【お話をうかがった先生】

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情報科・商業科 友枝 武弘 先生(右)。
教職歴19年(本校赴任5年目)。2学年主任。総合学習総括。
数学科 猿渡 淳 先生(左)。
教職歴10年(本校赴任7年目)。総合学習担当。



1.学校紹介

――本日はよろしくお願いいたします。さっそくですが、まずは貴校のご紹介からお願いいたします。



友枝先生:はい。熊本県立松橋高等学校は、県の中央部に位置し、大正7(1918)年創設の歴史と伝統のある学校です。「普通科文理総合コース」「普通科体育コース」「家政科」「情報処理科」を設置し、特色ある教育を行っています。
①生徒一人ひとりの夢の実現 ②地域の未来をつくる人財の育成 ③持続可能な魅力ある学校づくりの推移 を目指す学校像としています。また、凡事徹底・文武両道をスローガンとして「生徒が来てよかった学校」「親がやってよかった学校」「教師が勤めてよかった学校」を目指しています。
今年で100周年を迎えるのですよ。

――そうなのですね! 節目の年にインタビューできて光栄です。それにしても、さまざまな科・コースがあるようですね。つまり、生徒さんの進路先も多様ということですか?



友枝先生:学年によって違いますが、就職と進学が6:4や5:5ぐらいです。これからインターンシップに行きますが、少しずついろんな経験をして、進学希望者が増えていく感じです。



2.指導のご様子

■『言語力ドリル』で聞く力を高める

――さて、今回は弊社の『1日10分言語力ドリル』シリーズのご利用の様子を主にお聞かせいただきたいと思っております。まず、この教材を採用されたきっかけを教えていただけないでしょうか。



友枝先生:本校生徒の「インプット」「アウトプット」にはどうしてもズレが生じる、という問題意識がありました。例えば私たちの指示、言ったことが生徒に通っていない。「聞いていませんでした」「わかりませんでした」と言う生徒が多いのです。本当に忘れていることもあるのですが。

――それは教科指導、ということでなく、学校生活全般、ということですよね。



友枝先生:そうです。そんなことを思っていたときに、この『1日10分言語力ドリル』に出会いました。これに取り組むことで、何か見つかるのではないかと思ったのです。まず1年生の12月~3月の時期に「聞く・話す」のシリーズに取り組みました。

matsubase_drillH1『1日10分言語力ドリル 聞く・話す』

――『言語力ドリル』は1回10分で実施できる、とご紹介していますが、実際にはいかがでしたか?



友枝先生:放送を1回流しただけでは聞き逃す生徒が多かったので、2回流して対応しました。10分では終えられなかったですね。1コマの授業で2回分実施した、というペースです。
「自己紹介をしよう」というグループワークのページも使いました。インターンシップで「自己紹介カード」を書くものですから、場面設定をインターンシップとしての自己紹介を書くものとして、全員に実施をしました。

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(クリックして拡大。『1日10分言語力ドリル 聞く・話す』グループワーク1)

――ドリルだけでなく、グループワークのページもご利用いただいたのですね。弊社としては嬉しい限りです。ただ、総学で授業をされる際は、いろんな教科の先生がいらっしゃると思いますが、『言語力ドリル』のように、ご担当教科とは異なる教材で授業をすることに対して、言葉は悪いですが抵抗感のような反応はございませんでしたか? あるいは、「どうやって指導すればよいかわからない」といったお声は?



友枝先生:今までは特にないですね。


猿渡先生:私は基本的に書くことに苦手意識がありましたが、普通に解説しながら授業できていますね。私も「あ、そういうことなんだ」という確認をしながら授業をしていて、なんかこう、いいなぁと思いますよ。「聞く・話す」にしても「書く」にしても、本当にこのまま、「じゃあ、この問題やってみて」「じゃあ、解説しまーす」…と言って進めている感じです。

――本当ですか。それはよかったです。



友枝先生:付属の『指導の手引き』の存在は非常にありがたかったです。生徒に話をするときのヒントには絶対なると思っています。
ただ、「書く」編は、指導するのが難しい内容もあったので、国語科の先生方にお願いしました。授業の一部に取り入れてもらい、協力してもらいました。

実際にやらせてみると、やはり生徒は「必要な情報を聞けていない」ということがわかってきました。
平成28年度に卒業した生徒たちが、「言語力がついたよね」と自分たちで言っていたのが印象的でしたね。人の話を漠然と聞くのではなく、「何を聞けばよいのか」という、ポイントがわかるようになったのではないかと思います。
私たちはこの『言語力ドリル』の他に、他社さんの「スケジュール帳」も活用しています。『言語力ドリル』もメモする力が問われていますが、この「スケジュール帳」と併用することで、私たちの言ったことをちゃんとメモできるか、確かめています。僕はよく「時間」と「期限」と言いますが、『言語力ドリル』を実施することで、スケジュール帳に何を書けばよいのか、どこが大事なのかがわかるようになるのです。『言語力ドリル』の言葉を使えば、「具体」と「抽象」の区別がつくようになる、ということかなと思います。
『言語力ドリル』は、きちんと話を聞かせるだけではなくて、何を聞くべきなのかを理解させる、というところがよい教材ですよね。

――聞くのに必要なのは「態度」だけではない、ということですね。



友枝先生:そうですね。いかに「インフォメーション」から「インテリジェンス」に格上げするか、ということなのではないかと思います。

――「ただの無味乾燥な情報でなく、自分にとってどのような意味があるのか、どのように役立てられるのか、ということまでふまえた情報に格上げする」ということですか?



友枝先生:その通りです。



■添削教材を活用し、基本的な書く力の向上、自己PRの具体化を図る

――弊社教材と「スケジュール帳」の併用ということですが、これらは大きな3カ年の指導計画の中に位置づいているそうですね。



友枝先生:はい。例えば、基礎学力の育成にあたってはまた別の業者の教材を使っています。『言語力ドリル』は「言語活動の充実」として活用しました。その他作文・小論文対策として、第一学習社さんの「作文トレーニング」「小論文トレーニング」を利用していますし、他社のワークシートも活用しています。

――『言語力ドリル』「聞く・話す」のシリーズが終わった後は、2年の1学期から12月までで「書く」のシリーズを使っていただくご計画と伺っています。これも総学と国語科で、というご計画ですか?



友枝先生:そうです。そしてそれが終わってから、2年の3学期から3年にかけて、進路別の指導に入っていきます。就職・進学別に第一学習社さんの「作文・小論文トレーニング」を実施します。就職志望者は求人票と企業比較、履歴書作成を行います。進学志望者の方はまず各自で大学案内パンフレットを入手し、「学校比較シート」を作ってデータを整理させて、その後志望理由書を作成させます。進学志望者はこのタイミングで、第一学習社の講師の方にガイダンスにも来ていただいていますね。2時間指導していただいた後、私と国語の先生と、学年所属の先生方で2時間、志望理由書を書かせるという内容です。ちなみにその間、就職志望者は別教室で、雇用環境整備協会から講師を招いて就職ガイダンスをやっています。
学校比較シートに書かせながら、徐々に第一学習社さんのガイダンスに持っていくようにしています。

――ありがとうございます。別業者さんの「学校比較シート」に加え、弊社の添削+ガイダンスのサービスをご利用いただいているとのことでしたが、「学校比較シート」だけだと学習面で足りないということですか?



友枝先生:その業者さんは添削教材を用意されていないのです。「講座」はあるのですが、テストがないものですから。
志望理由書にしても、いかに情報を整理していくか、というところが必要になるので、第一学習社さんの添削に取り組む前に、いかに自分が経験してきたことを整理できるか、が大事です。今年からすべて「スケジュール帳」に面談やオープンキャンパス、進路ガイダンスの記録をつけさせています。ずっと「その時その時で感じた気付きを絶対に逃すな」という話をしています。「進学希望者には3学期に志望理由書を書かせるから、そのつもりで情報を集めなさい」とも言います。

――すべてが一つのラインに載っているわけですね。すごいですね。



友枝先生:ところが、これだけ指導しても、就職・専門学校志望者に課した「作文トレーニング」の添削結果は惨憺たるものでした…。2年時の3学期に添削を課したことがあるのですが、その時の結果がこちらです。

matsubase_sakutra(クリックして拡大)


友枝先生:こちら(画像右側)は進学志望者の間違いで、こちら(画像左側)が就職志望者の間違いをまとめたものですね。漢字の間違いや表現の誤りなどです。こういう文章以前の問題で評価を落としていることがわかります。しかし、これが2年生の3月段階だったらまだいいわけです。
3年生に上がってからリピート添削をするので、「同じミスをするなよ」という思いで、返って来た答案とともに、先生方、生徒たちに配って、情報共有をしているのです。

――これは生徒さんにとってはありがたい資料ですね。自分の間違いだけでなくて他の生徒さんの間違いを見て「あ、自分もこんな間違いをしていたかもしれない」と振り返ることができそうですよね。



友枝先生:そうですね。それから、高い評価だった生徒答案は、生徒の名前を消して印刷し、全生徒に読ませています。論の立て方など、うまいにはわけがある、ということを、実際に読ませて学ばせる。構成のしかたや表現方法を学ばせるんですね。Aがたくさんついている生徒を厳選しています。10人分ぐらいは配っていたかな。


猿渡先生:そうでしたね。意外と普段勉強が苦手な子の方が文章は上手、ということもありましたね。


友枝先生:2年生の3学期時点で添削の評価が高かったのは、家政科と情報処理科です。

――そうなんですか?



友枝先生:はい。これまでにがんばった内容に具体性があるからなんですね。家政科と情報処理科の生徒達は1年次から各検定に取り組んでいるから、がんばりに具体性があるわけです。ここが普通科との違いです。答案を読むことで、具体的に書くということを学ばせています。
返って来た添削答案に向き合わせる時は複数の教員で指導にあたります。2人でも足りないぐらいですね。せっかく添削されたものなので、添削の意味がわからない所を質問させ、疑問を解決させてから書き直しをさせています。また並行して評価の高い生徒のどこが評価されているのかを読んで勉強させます。他の人の構成を見るということはすごく勉強になると思うので力を入れています。

――生徒さん自身は、添削された内容・評価に関してはどのような反応をされていますか?



猿渡先生:「もうちょっと点数出てくるまでがんばろう」とか、そういう反応はあったかなと思います。やはりリピートでやり直して評価が上がると、「よかったぁ」という声は出てきますね。目標、目的を持っている子はがんばってよくしようというところはあったと思います。

――よかったです。ありがとうございます。



■個別指導で個々の力をさらに高める

――計画表では、3年時に個別指導をされている、と書かれています。今度はこちらのご指導についてお伺いします。



友枝先生:3年生の夏休み課外として、小論文対策講座を実施しています。第一学習社さんの『現代を知るplus』『チェック&ワーク』『要約練習20』を使っています。講座内容は、分野ごとに役割分担しています。例えば、「福祉」だと家政科の先生、「情報・メディア」だと情報処理科の先生、といった形で、それぞれの分野のプロの人たちに指導をお願いしています。
生徒の志望する学部に必要だなというテーマを私たちが決めて取り組みます。例えば「環境」は、どの学部にも必要です。

――友枝先生も猿渡先生も国語科の先生ではないわけですよね。私どもがお話をお伺いすのは国語の先生が多いのですが、商業科の友枝先生、数学科の猿渡先生と、他の教科の先生にここまで具体的な指導のお話を伺えるというのは珍しいです。失礼なご質問にもなりますが、どうしてこのような手厚いご指導が実現可能なのでしょうか。もともと小論文や「話をきちんと聞くこと」などについて問題意識をお持ちだったのでしょうか。



友枝先生:そうですね。実業系高校の生徒が大学受験をする場合、AO入試や推薦入試なので、小論文は絶対に課されます。よって、若い頃から積極的に小論文の指導者講習会に参加し、指導力を向上させてきました。国公立大学の小論文の指導は、なかなか引き受け手がないので、自分でも勉強しながらやったこともありました。
今からお話するのは、私が3年生秋の放課後の個別指導で、3人1組で指導したときのことです。1人が熊本県立大、1人が大分大、1人が鹿児島大か熊本学園大の志望でした。
まず、3人の生徒に同じ問題を投げかけます。その際、ワークシートで争点を分けて、こっち側はこういう意見とこういう理由。こっち側から見ると、こういう意見でこういう理由がある。それを両方見せて、自分はどっちの立場か、と問いかけ、書かせるのです。すると3人の生徒でも、それぞれ違ったことを書いてくるのです。
今度はそれぞれの書いてきた主張と根拠を見比べさせます。その時、絶対に相手の論を否定させず、どこがいいと思ったか、を言わせます。小論文をいきなり書かせるのではなく、まず討論をさせるわけですね。


――3人の生徒さんは、うまく意見は割れたのですか?


友枝先生:はい。1対2に分かれました。このとき、「絶対人が書いているものに対して文句は言わない」「これいいな、というところを言ってくれ」と指示しています。いいところを言うから、言われる方はニコッとするんですよ。それが次に頑張ろう、という意欲になっていくんですね。そうやって僕は仕掛けています。

――それは素晴らしいですね。別に相手を否定しなくても、それだけで「あぁ、そういう意見もあるんだな」と思えますよね。



友枝先生:資料解釈でも、資料の読み取り方のどこがよかったか、を言わせています。いろんな読み取り方があるから、その見方を尊重するという方針で討論をさせています。
これがさっき言った資料です。これがワークシート、これは後でのまとめですね。指導した順番になっているのです。


(校外秘資料なのでお見せできませんが、かなり高度な小論文入試問題が厚さにして12~13センチほど、山のようにファイルボックスに保管されていました)

――この個別指導は、3年生の2学期頃のお取り組みですか?



友枝先生:そうですね。9月に小論文模試を実施していますが、その添削が終わった後ですね。10~12月の3ヵ月くらいで仕込んでいきます。


――これは手厚いですね。素晴らしいですね。


友枝先生:小論文指導をしていると、まず「どう書くの?」という質問が出てきます。最近は要約させて、その後に論点を決めて意見と理由を記述するという指示になっているので、以前と比較すると書きやすくはなっています。以前は「○○について述べなさい」という形式の出題が多かったので、うまく書けない生徒には、「序論」「本論」「結論」という型で、「私は○○と考える。なぜならば、」の形式で書け、と言っていました。

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――漠然とした問いだと、命題を作ること自体が難しいですよね。命題の出し方も出題者の意図に添うものになっているかどうかが重要で、万が一添わなかったら、評価されるかどうかすらもわからないですからね。



友枝先生:そうなんです。結局、知識がないといけませんね。個別指導の時は、命題の立て方は樋口裕一さんの教材を活用して指導しました。命題の立て方に問題が出てくるので、別途トレーニングが必要なのです。命題の訓練をしないと「そんなん言わんでもわかっとるじゃない」という内容になるので、その指導に、ちょっと時間がかかります。


――私たちはその流れを推奨していますね。


友枝先生:最近は分割した問題が多いですからね。だから、あくまでも樋口さんの型は、一つの問題のタイプとしてYesかNoかで答えるためには、これを作らないとできないよ、と教えるのです。


――そうですね。


友枝先生:僕は、大学入試の出題形式が精選されたと思っています。以前に比べてうまく誘導していると言うかね。生徒はどうしても書いてあることで考えるのではなく、常識や知っていることで考え、答えようとするのです。
これは結局、『言語力ドリル』で学ぶことに全部繋がっているということだな、と思っています。まず、ちゃんと聞く。それも、必要なことを的確に聞く、ということです。これは読み取りも一緒だと思うんですね。知っていることが邪魔しちゃうんですよ。多分誰でも通って来ていることだと思うんですけど、「前にあのコメンテーターが囁いてたな」というような解答が選択肢にあったら、そっちを選んじゃうんですよね。課題文には書いていなくても、です。どうしてもそういうことがあるので、よく生徒たちにも言ってますね。

――なるほど、『言語力ドリル』の学習は、ここに結びついてくるのですね。私たちも勉強になります。




3.まとめ 生徒さんのご様子、今後のビジョン

――生徒さんが3年生になって作文、志望理由書を書いたり、その他さまざまな指導を受けたりした時に、「この『言語力ドリル』3シリーズを学習してきたからうまくいっているのだろうな」と感じられるようなことはありましたか?



友枝先生:最初にも言いましたが、入口として、私たちの指示をきちんと「聞く」ことができるようになったのが、一番大きいのかなと思います。それができるようになるから、次の「話す」「書く」というところにも進んでいくのかなと思いますね。
国語科の先生に「読む」をお願いしているのですが、結局、読み取る内容というのは全部「聞く」から繋がっていると思うんですね。
要約でも「具体」と「抽象」という言葉が出てきますが、全部「情報の取捨選択」というところに行きつくのかなと思います。その次に必要なのが、テーマに対して、どういう問題点・課題があって、どういう対立概念があるのかっていうことを知ることだと思うんですよね。

――教材内容に関して、「もうちょっとこうだったらいいのにな」といった希望はございますか?



友枝先生:いや、このボリュームだから、総学の1コマとして使いやすいのだと思います。
この『言語力ドリル』の「聞く・話す」を使ったときの生徒の反応を見ると、徐々に生活が変わっていったという印象を持っています。


猿渡先生:ええ。ちょっと落ち着いてきたな、という印象を持ちました。


友枝先生:『言語力ドリル』だけでなくて、「スケジュール帳」もありますからね。それで人の話を聞くこと、何を具体的にメモするかを意識すること、これらの重要性が、これでわかると思うんですよね。

―――そうですね。



友枝先生:我々は聞く前に、そのテーマだったら何を聞くかっていうのは想像できるじゃないですか。ところがコンサートの金額を間違えましたとか、全部聞き取れませんでしたとか言ってましたからね。コンサートがいくらなのか、場所がどこであるのか、やはり聞かない子はちゃんと聞けていないんだなと。そこを気付かせるのに、非常によい教材だなと思います。

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(クリックして拡大。『1日10分言語力ドリル 聞く・話す』第3回)

――私たちも制作時、場面設定や問いの出し方は色々悩みましたね。「これでいいのかな」「易しすぎないかな」というように。



友枝先生:生活の中にある題材がよいですね。「スケジュール帳」とファイルを活用して、自分の足跡を記録に残す。そして、情報を一元管理することが重要だと思います。
今、改めてポートフォリオの重要性が叫ばれていますが、前からみんな、「綴じさせる」ことはやってきたと思うんです。ただ、「どこに書いたかわからなくなった」という問題があったと思います。紙切れにちょこちょこ書いたようなメモで、後になったらどこにいったかわからなくなる、とかね。だから今は「スケジュール帳」にすべて情報を書き込みなさいと言っています。どこで「あ、なるほど」と思うかわからないからですね。そういうちょっとした出来事があったら、手帳に全部メモしておけ、とは言っていますね。
そう言えば、生徒が3年生になって、就職の方の指導の時に「(手帳に情報を一元管理するのは)すべてこのためだったんですね」って言ってくれたこともありましたよ。

――あ、その言葉は嬉しいですね。すごいなぁ。

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(インタビュー記事にはしておりませんが、先生自作のキャリア学習のためのスライド資料を、PCで見せていただきました)




…実際のインタビューはこの後も続いており、他にもご紹介したい取り組みが多々あったのですが、今回はここまでとさせていただきます。友枝先生、猿渡先生、すべてをご紹介できず、申し訳ありませんでした。そして、多方面にわたる指導実践をご紹介くださいまして、誠にありがとうございました。

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