担当者のつぶやき スーパー高校生と普通の高校生

こんにちは。担当者Uです。

今日は「スーパー高校生」の話題から。

「高校生の行動力に世界が賞賛!725万トンの海に漂うプラスチックゴミを回収するシステムが素晴らしい」(feely)

すごいアイデアを考える高校生がいるものですね。
アイデアを考えるだけでなく、それを実現に移しているところがすばらしいです。


高校生も、やれば世界を動かせるんです!
みなさんもがんばってください!


…と口で言うのは簡単ですが。
おそらくほとんどの方が「いや、誰もがそんな世界を変えるようなことができるわけじゃないから」と思ってしまうでしょう。


この悩み、進学・就職のときによく表れるのではないかと思います。
進学(特に推薦入試など)、就職にあたって避けては通れないのが「自己PR」です。
よく、自己PR文の例では、「部活動で部長としてがんばって全国大会に出場した」とか「生徒会長になって学校を変えた」とか出てきます。
でも、そのような「わかりやすい称号」のない人は悩みますよね。
「わかりやすい称号」がないから、「自分には別にPRできるようなことがないし」と考える人は多いと思います。


でも、実際には、そうしたわかりやすい実績がなくても、うまく自己PRを行うことは可能です。


例えば、所属している部活動に、リーダーシップがあって、部員に新しい提案をどんどん行い、みんなをひっぱっている部長さんがいたとします。

部長さんは、アイデアは豊富だけどいつも言いっぱなしで、ツメが甘い。
「学校のグラウンドは狭いから満足に練習できない!もっと広い場所で練習すべきだ!」といつも言っています。

それについてはみんな賛成なのですが、「じゃあどの場所で、どんなふうに練習する?」という具体化はしません。


それを聞いていた副部長さん、「それならまずは顧問の先生に相談しないと。そのときは候補の場所も決めておかないと許可がもらえないと思うよ。Aさん、ちょっと候補場所を探してみてくれない?」と、どうすれば練習場所の変更を実現できるかを詰めてくれました。


今度はそれを聞いていた部員のAさん、「じゃあ候補の場所を調べてみるね」と、インターネットを使ったり、市役所に行ったりして、代わりの練習場所を複数探してくれました。


Bさんは、複数出てきた候補の練習場所のうち最も条件のよい場所の管理人さんに部活動での利用をかけあいました。上手にお願いをして、普通に利用するには手続きが面倒な練習場所を、年に1回管理人さんとお話をするだけで使ってもいいように交渉してくれました。



…と、こんなことがあったとしたら、全員が「自己PR」の材料を得たことになります。
例えばこんな自己PRができそうです。


■部長…誰も考えないようなアイデアを出すことができる。率先してみんなに意見を言える。
■副部長…企画を実現するための段取り整理が上手。
■Aさん…調べごとが上手。インターネットだけでなく、自分の足で調査する行動力もある。
■Bさん…交渉が上手。自分たちの希望をきちんと相手に伝え、また相手の事情もふまえながら双方が納得する取り決めを行うコミュニケーション力がある。



高校のうちにできることは限られています。それを就職・進学先の試験官はよくわかっています。
大事なのは、「何をがんばったのか」「それによって自分は、周囲はどう変わった(よくなった)のか」をきちんと説明できることだと思います。
自分一人でうまく考えがまとまらなかったら、周りの人に相談するのもいいですね。


※本当はさらにそこから、「なぜPRした長所があると、進路先で役に立つのか」ということまで考えていかないといけないのですが…。
ここから先は教材で勉強してみてください(ただし、高校の先生でないと購入できませんのでご注意)。


冒頭に紹介したようなことは、誰もができるわけではありません。
でも、みんなそれぞれ、何かしらのアピール材料は持っているものです。
「わかりやすい称号」をやみくもに求めるのではなく、一見「普通」のできごとをいかに文章としてまとめられるか、で勝負できるといいですね。