担当者のつぶやき 駅のホームと小論文

こんにちは。担当者Uです。



突然ですが問題です。


「酔った客が駅のホームから線路に転落する事故が後を絶たない。この事故を減らすためにはどうするべきか、あなたの考えを述べなさい」


小論文入試でこんな問題が出た…という話ではありません。あしからず。

お酒に酔ってホームに落ちるなんて、高校生のみなさんからすれば「そんなに飲むなよ!」と言いたくもなるのでしょうが…。
でも、転落事故が起きているのは事実ですし、こんな理由でお客さんの命が犠牲になるのは避けたいところですよね。
さあ、どうすればいいでしょう?



この問題、実は既に対策が進められています。JR西日本の取り組みです。

Uの最寄り駅でもこの取り組みがなされていたので、写真を撮ってきました。


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わかりますか?
ベンチに座った人の向きが、線路と平行になるようになっているのです。


どうしてこれだけで転落防止につながるのか?
それについては、以下の記事でくわしく解説されています。


2015年3月24日「神戸新聞NEXT 酔って線路に一直線 ホーム転落事故の9割 JR西が調査」

一部の新幹線の駅のように、ホーム全体に壁を作るという方法も考えられますが、とてもお金がかかるので、すべての駅に設置するのは大変です。
でも、ベンチの向きを変えるだけなら、それほどお金はかけなくてすみそうです。
これだけで少なくとも酔った人の転落防止を防ぐことができるのであれば、大きな改善ですよね。



みなさんに注目してもらいたいのは、「酔客の事故を科学的に分析」している、というところです。


小論文のよくない解答例として代表的なのが、「私たち一人ひとりが気をつけるべきだ」というものです。


この答え、「間違い」とは言い切れません。

しかし、そもそもどんな気持ちでいれば「気をつけた」ことになるのでしょうか。
いろんな人に、どんな方法で気をつけさせればいいのでしょうか。
「気をつける」だけで本当に問題は解決されるのでしょうか。

…と、いろんな疑問がわいてきて、結局「それって説得力ないよね」ということになってしまうのです。


しかし、このように酔ったお客さんの動きをしっかり分析し、その傾向をつかんだうえで対策を打ち出していたら、ものすごく説得力がありますよね。

もちろん、実際の小論文の試験において、このような「分析」ができることはまれですが、少なくともこうした科学的な分析が、提案する解決策の説得力を高める材料になるのだということは重要です。



ある社会問題が提示し、その解決方法を提案するような小論文の構成を「問題解決型」と言いますが、この問題解決型の構成をとる場合に、「問題点の分析・考察」が重要となります。
何が問題なのか、なぜ問題が生じてしまうのか、をしっかり考えることができたら、おのずと解決策も見えてくるからです。

小論文の問題を解く際も、こんなことを考えながら構成を練ることができたらいいかもしれません。

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