担当者のつぶやき 「マナー」とか「賛否」とか

こんにちは。担当者Uです。
8月中にアップしたかった記事なのですが。遅くなってすみません。
でも、もしかすると入試でも話題になるかもしれないので…季節外れになってしまいましたが紹介します!


8月に、複数のメディアで「水着で街を歩くことについての賛否」が話題となっていました。
「マナー」とか、「賛否」とか、小論文っぽい!
この問題では、以下のような内容が扱われていました。


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◎JR須磨駅南側の海岸は多くの海水浴客でにぎわっている。その反対側、駅北側の飲食店などが並ぶ通りでは、水着のままで歩く人が多くいる。海水浴客の一部のマナーが問題となっている。
例1.水着で街中を堂々と歩く。
例2.水着のまま店や駅に入るため、水浸しになったり、砂だらけになったりする。
例3.水着のままタクシーに乗り込もうとする客がいる。
例4.駅の多目的トイレで着替えをする人がいるため、本来このトイレを使うべき客が利用しにくくなっている。



◎店員や駅員の反応は以下の通り。
例1.夏のかき入れ時期だけに、客への注意をためらう(「この時期は飲み物がよく売れるし…」と、注意したくてもできない)。
例2.立ち入り拒否など厳しい態度で臨む店も出てきた。
例3.「地元の子たちじゃないから、声をかけるのが怖い」という声もある。
例4.JR須磨駅では、改札内にある多目的トイレに鍵をかけた(利用したい人は駅員に申し出てもらうことにした)。



◎海水浴場近くの街中を水着で歩いたり、店に入ったりすることについての、海水浴客の考え
例1.「私、水着で街を歩けるよ。それも受け入れての商売ちゃうの」。
例2.「客が来なかったら、店も売り上げが下がるでしょ。夏の期間だけは、仕方ないのでは」。
例3.「僕は行かない。水浸しで店内に入られると、ほかの客にも迷惑が掛かるでしょ」。
例4.「水着は恥ずかしいから、何か羽織るかな。自分が店で働いていたら、水着の客が来ると嫌だと思うし」。
例5.「水着に着替える前に買い物して、その後に海に来るべき。水着で街をうろうろするのはおかしいよね」。

※海水浴客の言葉は、『神戸新聞Next』を参考にさせていただきました。
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ところで「須磨海岸」はどのような場所なのかというと…
こんなところのようです。
駅のすぐ南側が砂浜!!確かに、水着でそのまま駅のトイレに行けてしまう距離ではあるようですね。


さて、いかにも小論文で問われそうな話題だなー、と思ってみていたのですが。
問題作成者の立場で考えると、この議論についても、「受験者にどのようなことを考えさせるか?」によって問い方が大きく変わってくる可能性があります。ざっと思いつくだけでも、次のような問題が考えられます。


問題1
・上の文章を読んで、あなたは水着で街を歩くことに賛成か、反対か、あなたの考えを述べなさい。
問題2
・上の文章を読んで、店側としては、水着で街を歩く海水浴客に対して、どのような態度で臨むべきだと思うか、あなたの考えを述べなさい。
問題3
・上の文章を読んで、自治体が海水浴客も店側の人間も両方が納得するようなルールを作るとしたら、どのような方法が考えられるか、あなたの考えを述べなさい。


それぞれ、「誰の立場で意見を言うか」が変わってくるのがおわかりでしょうか?
問題2と問題3ははっきりしていますね。案2は「店の人は○○しないといけない」と、お店の人の立場で書かないといけません。また案3は「自治体は○○しないといけない」と、自治体の人の立場で書かないといけません。
問題1はそういう「立場」の条件がありません。とにかく「あなた」個人の意見を問うていることになります。どのような立場の人がどのように利益・不利益を受けているか、等を考えて、あなたなりに賛否の立場を示すことを求めています。

このようなことをはっきりさせておかないと、自分の考えをまとめるとき、的はずれな意見になってしまいがちなので、気をつけないといけませんね。



この問題、考え始めてみるとなかなかおもしろいので、次回につづきます!!(秋に何度も書く話題じゃないのですが…)