担当者のつぶやき 小論文入試でよく出る人

こんにちは。担当者Uです。

入試まっさかりの今日この頃。
何かの参考になるかもしれませんので、昨年度の小論文入試で、課題文としてよく使われる人について、ご紹介したいと思います。


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※以下の内容は、第一学習社が全国の大学の入試問題を調査・集計したデータによるものです。
大学によっては問題内容が非公開になっている場合があるため、必ずしも正確な「ランキング」になっているわけではありません。ご了承ください。
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国公立大の部門と私立大の部門に分けて紹介します。
まずは国公立大部門。


2014年度入試小論文で最もよく登場した人は…
内田樹さんです!
12の学部・学科で出題されました。
出典もさまざまです。『街場のメディア論』『修行論』『先生はえらい』『知に働けば蔵が建つ』などなど。
国語の評論でも頻出の人ですよね。


では第2位は…
平田オリザさんでした!
『わかりあえないことから』が8つの学部・学科で出題されています。


第3位は…同数で3名。
柏木惠子さん、外山滋比古さん、鷲田清一さんです。
それぞれの方が6つの学部・学科で出題されています。
柏木惠子さんは『おとなが育つ条件』『子どもが育つ条件』それぞれから出題があります。
外山滋比古さんは複数の書籍から出題されますが、多いのは『思考の整理学』です。
この本、初版が1986年です!もう30年近く前なんですねー。でも、例年どこかの大学で出題があります。
鷲田清一さんも入試では定番の方ですね。内田樹さんと同様、さまざまな書籍から出題されています。




そして、私立大学のランキング1位は…


河合隼雄さんです!
全部で8つの学部・学科で出題されています。
出典はバラバラですが、『こころの処方箋』は3つの学部・学科で出題されていました。


2位は国公立大と同じ、平田オリザさんです。
『わかりあえないことから』が7つの学部・学科で出題されています。
国公立大の2位もこの方、しかも同書籍ですから、2014年度入試で一番よく出た「本」は、この『わかりあえないことから』だと言えそうです。
同じく2位に、鷲田清一さんもランクインしています。


3位は内田樹さん、苅谷剛彦さんです。
苅谷さんも教育問題について複数の書籍を出されている著名な方ですね。
以前から入試ではよく見る方です。





いかがでしょうか。「定番」の方、最近よく見る方、など、頻出著者を追いかけると、いろいろ見えてくるものがあります。
ただ、身もふたもないことを言ってしまいますが、日本全国で数千もの小論文入試が出題されています。その中で12回出題された人が「ランキング1位」なわけです。1位の人の本を読めば、入試で当たるかも…とはとても言えない確率なんですよね。
高校生のみなさん、くれぐれも「狙い撃ち」は禁物です…。受験直前のみなさんは仕方ありませんが、そうでない方は、前々から準備しておきましょうね~。

担当者のつぶやき 電気のお勉強

こんにちは。担当者Uです。

先週は、ちょっとしたご縁で、電力会社さんから「再生可能エネルギー」の現状についてお話を伺う機会がありました!
(再生可能エネルギーについては、入試頻出キーワードもご覧ください)

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震災や原発事故の影響もあり、現在、再生可能エネルギーには期待が高まっています。
しかし、「火力発電や原子力発電を全部太陽光や風力に変える」という単純な話ではありません。
なぜ、再生可能エネルギーの普及がなかなか進まないのか、今後どういったことを解決していく必要があるのか、現在どのような取り組みが進められているのか、等のお話を聞くことができました。
私たちがふだん添削指導をしていく中でも勉強になる内容ばかりでした。

私たちはこのように、添削指導の質を向上させるための取り組みも日々行っています。
よい小論文が書けるようになるためのお手伝いを、これからもがんばっていきたいと思います!

担当者のつぶやき 「課題文」型小論文

こんにちは。担当者Uです。


入試問題に目を通すことが増えてきました。
いや、仕事柄、一年中ちょくちょく目を通してはいるのですが、最近は特に!
教材づくり、学校からの問い合わせ、小論Netの会員さんからの問い合わせなど…。


そんな中、強く感じるのは、「小論文入試、とは言っても、かなり読解力が求められるようになってるな~」ということです。


小論文の一般的な出題形式に「課題文型」というものがあります(詳しくはこちらを読んでください!)。
文章を読ませて、そのうえで「○○についてあなたの考えを述べなさい」と問われる、アノ形式のことです。

この形式自体は昔からあるのですが、最近は「あなたの考え」を問われる前に、課題文の内容そのものについて問われる小問が増えてきているように思えます。
例えば、今日たまたま目にした某医学部の入試問題の設問を紹介します。

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問1.
 著者は~~~ととらえているが、ここでいう「□□」はどのように定義されているか、本文から抜き出して答えなさい。(15字以内)

問2.
 △△は、他の▲▲と比べてどのような点が異なっているか。筆者の考えを要約しなさい。(400字以内)

問3.
 下線部①が、なぜ~~~するのかについて説明しなさい。(50字以内)

問4.
 下線部②の「●●」という著者の造語は何を意味しているのか説明しなさい。(120字以内)

問5.
 △△が~~~だとすれば、~~~するためにはどのようなことが必要か、あなた自身の考えを述べなさい。(400字以内)

*************

いかがでしょう。ここまでいくとすごいですねー。
「あなたの考え」を問う、狭い意味での「小論文」の問題は問5だけです。
他はほとんど国語の問題のようです!
しかも、問2の要約と問5の小論文の字数が同じ…。



一方、某国公立大学の人文科学系の入試問題では。

問い方は

問1.
 ○○についての筆者の考えを400字以内で要約しなさい。

問2.
 筆者の考えをふまえて△△についてあなたの考えを800字以内で述べなさい。

というシンプルなものでしたが、課題文が長いんです!
問題冊子が全部で8ページ、そのうち課題文が7ページです!数えてみたら約6500字もありました。
センター試験国語の「評論」がだいたい3000~4000字ぐらいですから、2倍近くあります。
これは大変です。

ここまで長いのは特別ですが、それでもある程度まとまった長さの文章を読ませる、というのは定番になっていますね。
小論文の書き方の練習、というと、自分の考えをいかに理路整然と書くか、ということに意識がいってしまいますが、実はこうした長い文章を正確に読んで、しかもそれを短くまとめる力も必要そうです。
しかも入試本番では制限時間もあるから、時間配分も重要です。


高校生の(特に1、2年生)みなさん、対策はおはやめに…。
本番直前になって過去問を見ると、ショックを受けてしまうかもしれません。

その「対策」ですが、過去問を見れば、「問い方」の傾向はだいたいつかむことができます。
この学部はやけに読解小問が多いな、とか、この学科は新聞記事をよく使ってるなー、とか。
複数年眺めてみるとわかることがあります。

入試過去問は、小論Netの「入試過去問BOX」で紹介しています!
入試の現物ではありませんが、どんな問題が出題されているのか、を最大4年間分調べることができます。
これを機に、どしどしご活用くださいね。





さて、楽しいブログ執筆も終え、担当者Uは上司から提出を求められた報告書に取りかかります…。

小論文入試っぽく言えば、今回命じられたのは全部で5つの問題。
例えば、

「1年間に取り組んだ仕事内容を要約」することを求められたり、

「今後のあなたの仕事上のあり方について、あなたの考え」を書くことを求められたり。

うーん、やはり小論文学習は社会人になってからも役立ち…ます!

担当者のつぶやき 繁忙期!

こんにちは。担当者Uです。


先週末はセンター試験でしたね。大学入試も大詰めを迎えていることと思います。
入試関連の資料請求や、添削テストの返送予定確認などといった、学校からのご要望・お問い合わせも日に日に増えています。
私たち小論文事業部が最も忙しくなるのも、この時期になります。

先生方、もし、お困りのことやご不満がありましたら、お電話やフォームを用いてご連絡くださいね。
ご不満を抱かせてしまった原因を調べて、善後策を検討していきますので。


スタッフ一同がんばっておりますので、どうぞよろしくお願いします!

担当者のつぶやき 地球温暖化の今

こんにちは。担当者Uです。


今日は先日の投稿の続きで、地球温暖化について考えてみます。


もう何年(何十年?)も前から「地球温暖化が問題だ!」と言われ続けていますが、そもそも温暖化って何が問題なの?という方も多いのではないでしょうか。
中には「地球は寒冷化しているから温暖化するぐらいでちょうどいい」なんていう意見もあるようなので、ますます何が正しいか、わからなくなりますよね。


現在一般的に認められている見解はどういうものなのか。
調べてみると、環境省のこの資料が比較的わかりやすくまとめてあるように感じられました。


ざっとおさらいすると、
・確実に地球は「温暖化」している
・20世紀以降の温暖化の要因は人間の影響である可能性が高い
・CO2の排出量と世界平均気温の上昇は比例関係にある
ということが言えるようです。
また、この報告書では、その他さまざまな気候変動の情報も多く触れられていました。
例えば
・日本の降水量は年ごとの変動が大きくなっている
(全然雨が降らない年もあれば、とんでもない豪雨が降る年もある、というところでしょうか)
・海水温が上昇している
(ちなみに海面水位の上昇には、南極の氷が融ける以外にも、海水温が上昇して海水が膨張するという原因もあるそうです)
・温暖化によって生態系に変化が生じる
・極端現象(大雨や強風などの短時間の激しい気象から、数か月も続く干ばつ、冷夏などの気候異常)が世界各地で増えると予想される
などなど…。
こんなにたくさんのことが傾向として指摘できるんですね!


ただ、今後の予測がわかれば安心、ということでもありません。
特に「降水量の変動が大きい」ということや、「極端現象」が増えるということは、予想できない自然災害が増える、ということなのですから。
例えば、広島の豪雨土砂災害では、「バックビルディング現象」なる現象が起き、局地的な豪雨になった可能性があるそうです。
(参考:朝日新聞デジタル
厄介なのは、この現象の予測は大変難しいということです。
ふだん私たちは天気予報はかなりの確率で当たるものだと思い込んでいますが、一歩間違えれば大災害につながる豪雨について、現在の科学ではまだ予測できないこともあるのですね。


また、温暖化の原因が二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスであろう、ということも傾向としては言えそうですが、この温室効果ガスの削減も一筋縄ではいきそうにありません。
しかし大切なのは、問題の解決をを先延ばしにしていても、将来いいことはない、ということなのでしょう。
少しずつでも、問題を深刻にとらえて、何か対策を打ち出していかなければならないでしょうね。

高校生のみなさんが、小論文の勉強から、このように社会問題の解決の方向性を探ることにつながっていけばいいなー、と思います。
私たちもそのお手伝いができるよう、がんばりますよー。

担当者のつぶやき 新年のごあいさつ

明けましておめでとうございます。担当者Uです。
年末年始は問い合わせ対応などがストップしてしまい、ご迷惑をおかけしました。
本日より通常対応になっておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


この年末年始の休暇中、Uは郵便局に行く用事があったのですが、
休日でも対応してくれる数少ない郵便局だったためか、たくさんのお客さんがいました!
前に並んでいたお客さんをちらりと見かけると、「○○中学校」と書かれた封筒を手にしていました。
願書の提出なのだと思います。
受験生(とその親御さん)は、お正月とはいえのんびりしていられないですよね。
「私も月曜日からがんばらないと!」と気を引き締めた瞬間でした。


今年、広島県は元旦から雪に見舞われました。
豪雨に大雪に、昨年から本当に悩まされますね…。
受験生のみなさん、志望校の受験日が好天に恵まれるよう、陰ながら祈っています!


本年もさまざまな「小論文」絡みの小ネタを投稿していきたいと思いますので、
第一小論Netを、そして「担当者ブログ」をよろしくお願い申し上げます。

担当者のつぶやき 異常気象と小論文

こんにちは。担当者Uです。ごぶさたしております。


先月から、来年度用の教材準備のあれこれが立て続けに入り込んでいて、
のんびりブログを書く余裕もありませんでした。すみません!
年末はやっぱり忙しいですねー。
受験生のみなさんも追い込みで大変だと思います。がんばってください!


そんな中、大寒波が日本を襲っています。広島では珍しく、都市部でも5~10cm程度雪がつもりました。
みなさまお住まいの地域は大丈夫でしょうか。
ふだん雪が降らない地域は、ひとたび大雪になると交通機関がマヒするなど、混乱が起きます。
今回の雪も早く解決してくれたらいいのですが。


ところで、先日「エルニーニョ現象が確認された」ということをニュースで耳にしました。
エルニーニョが確認された年は暖冬になる、と聞いたことがありますが、この寒さはどうしたことでしょう。
全然暖かくなってないじゃないか!と思われた方も多いと思います。


そもそも、エルニーニョとはどのような現象なのでしょうか。
気象庁のサイトでくわしく説明されていたので、ご参照ください。
こちらによると、エルニーニョ現象発生時の冬の平均気温は高くなる「傾向」にある、ということのようですが、
最新の監視速報(No.267。12/10現在)によると、「エルニーニョ現象が発生しているとみられる。ただし、大気の状態にはエルニーニョ現象時の特徴が明瞭には現われていない。」とありました。

ちょっと混乱してきますが、つまり
「南米ペルー沿岸あたりの海面水温は平年に比べて高い(エルニーニョ)が、日本の天候はエルニーニョ発生時のような異常を観測できていない」ということなのだと思います。

世界の気候はさまざまな要因によって決まってくるのでしょうから、エルニーニョが出たら必ずこうなる、ということでもないのかもしれませんね。気候の予測は難しいですね…。


このブログでもたびたび取り上げていますが、気象に関する問題はよく小論文入試でも出題されます。
次回は温暖化の問題について取り上げてみようかと思います!

担当者のつぶやき 宇宙と小論文

こんにちは。担当者Uです。


最近、宇宙に関連する話題が多い気がします。
先月は「皆既月食」が日本各地で見られました。
Uも仕事中に会社の屋上に上って観察しました。
カメラを持っていなかったのでスマートフォン内蔵カメラで撮ってみたのですが…うーんイマイチ。
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よいカメラを持っていればよかった、と後悔しました。


そして今月に入って、欧州の探査機が世界で初めて彗星に着陸した、というニュースも報じられました。
なんと、10年もかけてこの着陸を計画していたというのですから…すごいですね。

本格的な彗星の調査はこれからですが、どうやら「彗星が地球に生命をもたらした」とする説があるそうで、今回の彗星の成分調査から、その説を検証することができるのではないか、と期待されているようです。


さて、こうした宇宙関連のニュースも、小論文ではよく出題されます。
例えばこんな具合です。


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◎米国のスペースシャトルが1981年の初飛行以来30年の歴史に幕を下ろすことについて述べ、これからの世界の宇宙開発について述べた『2011年7月10日「朝日新聞」』「シャトル引退 次の宇宙に成果つなぐ」を読み、あなたの意見を述べよ。
(2013年度名古屋商科大学・コミュニケーション学部・推薦)


◎火星に探査機が着陸し、かつて生物の生息可能な環境であったことが明らかになった。どのような環境が整えば生物が生息できるか、自分の考えを記述せよ。
(2014年度東洋大学・生物科学部・推薦)
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上の問題は、スペースシャトルの飛行が終了した話題、下の問題は、2012年に火星に着陸した探査機「キュリオシティ」の話題が取り上げられています。いずれも、最新のニュースなどをもとにして問題が作られています。
こうしたさまざまなニュースを知っておく、ということはもちろん重要ですが、ただ「知っている」だけではいけません。
今後の宇宙開発はどうあるべきか、開発を進めるにあたってどういう問題があるのか、そもそも、なぜ宇宙開発が必要なのか…といったことを自分なりに意見として持っておくとよいでしょう。


高校生のみなさんが大人になる頃は、「宇宙旅行」がもう少し一般的になっているかもしれませんね。楽しみです!