担当者のつぶやき 添削!

こんにちは。担当者Uです。GWはみなさんいかがお過ごしでしたか?
ただ、知り合いの先生には「ずっと仕事・・・」という方も何人かいらっしゃいました。
おそらく部活や雑務に追われておられるのだと思います。本当にお疲れ様でした!

さて、Uのお休みの話を書いても仕方がありません(決してどこにも遊びに行けなかったからではなく)。
今日は第一学習社の小論文事業で最も大切なお仕事の一つ「添削」についてちょっとだけ紹介します。

第一弾は「筆記用具」です!・・・え、おもしろくないって?

しかし、添削指導には、ふだんなかなかお目にかかれない筆記用具を使って指導をしているんですよ。その世界を少しだけご紹介します。

第一学習社の添削指導の特徴は「赤青2色指導」です。簡単に言うと「表現・表記の指導」を青字で、「内容の指導」を赤字で行う、というものです。
表現・表記の誤りというのは、少し気をつければすぐに直してもらえるものです。ですから青字で目立たせて、「まずは青の指導が少しでも入らないように気をつけよう!」と思ってもらいやすくするために、2色での指導を行っているのです。

赤ペン

こちらが「赤ペン」です。デスクペンと呼ばれる、万年筆タイプの筆記用具です。
Uは恥ずかしながら、この会社に入るまで、万年筆なるものを使ったことがありませんでした・・・。
入社してから使ってみると。慣れるまではうまく書くのが難しいのですが、コツを覚えてみると、本当に素晴らしい「書き心地」!書くことが気持ちいい、と思ったのは初めてです。

そして後ろにぼんやり見えているのが修正液です。中身は(たぶん)企業秘密です。
これを使うとインクの色がさらりと消えてしまう、スグレモノです。ただ、あまり使いすぎると紙がいたんでしまうので、使いすぎは禁物です。
指導者のみなさんにはいつも「あまり使いすぎないでくださいね!」とお願いしているのですが、真面目で良心的な指導者さんであればあるほど「最初の指導より、こう指導した方がもっと言いたいことが伝わりやすくなるはず・・・」と考えてしまう傾向にあるので、つい修正液を使いすぎてしまうことがあるようなのです。あまり多くはないと思いますが、少しいたんでしまった答案が返ってきた高校生のみなさん、そういう事情なのです。ごめんなさい。

さて、この修正液。文字通り「液」なので、すぐに乾かす必要があります。
その時に使うのが「ドライヤー」です!オフィスにドライヤーをたくさん常備している会社なんてうちぐらいではないでしょうか・・・。

ドライヤー

ところが、ごくまれに○リクションボールなど、書いても消せるペンを使って小論文を書いてくる受験者さんがいます。
そんな答案に対してドライヤーを使ってしまうと・・・先日も「大変です!答案が消えてしまいました!」という指導者さんの声が!

そのときは答案を冷やして、なんとか文字を復活させることができました。

こちらも十分に気をつけてはいるのですが、高校生のみなさん、あまり小論文の答案に「消せるペン」は使わないようにしてください・・・。ささやかなお願いです。

担当者のつぶやき 社会人にも必要な「書く力」

こんにちは、担当者Uです。

今回は担当者Uがとある企業の方から「書く力」についてうかがったお話を紹介します。

先日、ある企業の方と一緒にお仕事をする機会があったのですが、その中で「社員の書く力の低下を非常に重大な問題として考えている」というお話がありました。

その会社は入社のための競争率が高く、試験もとても難しい様子ですが、その難関をくぐり抜けてきた社員さんでも、きちんとした文章を書けない人がとても多いそうなのです。例えば、順調に会社で成長してきた人が、昇進のための論文試験を書く練習をするときになって、初めて「書けない」ことに気づく、ということもあるそうです。

これは上の会社のことではありませんが、きちんと「書く」ことができない人の例として「お客さんからクレームや要望があったとき、それをきちんと整理して、上司に文書で報告することができない人がいる」というような話も聞いたことがあります。

高校生のみなさんのなかには、今はだめでも、大学に入り、社会人になっていけば、自然と文章は書けるようになる・・・と考えている人はいないでしょうか。しかし、それは甘い!のかもしれません。どこかできちんと書く練習を積んでおかないと、社会に出てから困ることになるかもしれませんね。

もちろん、文章にもさまざまな種類があります。連絡、報告、提案、謝罪、お礼などなど・・・それぞれの性格によって書き方は変わってきます。しかしどのような文章にも大事なのは「自分の言いたいことを正確に伝える」ということでしょう。

学校で学ぶ「小論文」は、そうした「自分の言いたいことを正確に伝える」ための練習としても役に立つものです。小論文の練習というと、つい「技法やテクニックを勉強して、進学・就職試験に合格するために練習するもの」だと思ってしまいます。しかし、私たちが社会に出ていくために確実に必要になる力を練習することができる、というようにも考えてもらえると、勉強の方法も変わってくるかもしれません。

本年度も小論文(そして人に伝わる文章を書くこと)にまつわるあれこれをブログで紹介していきたいと思っていますので、引き続き第一小論Netをよろしくお願いします!

担当者のつぶやき (小)論文の作法

こんにちは。担当者Uです。


先日このブログで「1月、世間で特に注目されたのは、STAP細胞のニュース」だと書きましたが、今なおこのような形で世間をにぎわせることになっているとは、予想だにしませんでした・・・。


世間の反応はもはや「論文の信頼性」というだけにとどまっていない様子ですが、小論文のお仕事をしている私たちは、やはり「論文の信頼性」ということが気になってしまいます。


今回のSTAP細胞の研究成果が実際にはどのようなものであるのか。これについては今なお調査中であると思いますので、深く追求することはしません。しかし一般論として言えるのは、「論文において人の意見を使用するときは、それが『引用』であることをはっきり示すこと」が大原則だということです。


これは高校生のみなさんが書く「小論文」でも同じことです。


日頃、小論文テストの添削の現場に立ち会っていると、よく
「解答例文を丸写しした答案」
「丸写しではないけど、第○段落の内容は解答例文そっくりそのままの答案」
「具体例だけ変えていて、あとは解答例文とまったく同じ中身の答案」
などに出会います。
一見、よく書けているように見えるのですが、何かから流用したことが明らかな場合、点数を大きく下げることがあります。


「論文」にしても「小論文」にしても、書いた人独自の考えを示すことが大切です。
仮に結論が「みんなと同じ考え」だったとしても、「私は■■の理由から、やはりみんなと同じように、△△という考えが正しいと考える」というような形で、「独自性」を出すことは可能です。
そうした手続きを踏まずに、あたかも最初から自分が考えたかのように「私はこう考える」と述べたとしても、そこに説得力は生まれません。
もっと重大な論文であれば、人の意見を盗んだひどい人間、という評価をされることになるかもしれません。


もちろん、自分一人で一から説得力のある意見を述べることは大変です。
ですから、人の意見を使用するときは、「これまでこの問題については○○という人がこう言っていた」「新聞ではこの問題についてこう書かれている」などのように、誰がどう書いていたか、ということをはっきり述べることが必要です。
こうすれば「自分の意見」と「人の意見」をはっきり線引きしていることが読む人にもわかりますから、「盗んだ」ことにはなりません。


念のため確認しておきますが、今回のSTAP細胞の論文が盗作だと言っているわけではありませんよ!論文の「体裁」「作法」としてはおそらく重大な問題があったのだと思いますが、その研究自体にどの程度の価値が残されているのか、ということの検証はまだこれからなのだと思います。


少なくとも何らかの新しい発見があって、これからの科学の進歩に少しでも貢献できる要素が残っていたらいいなぁ・・・と担当者Uは思っています。

担当者のつぶやき 「卒業」

こんにちは、担当者Uです。今日は高校生のみなさん向けにつぶやいてみます。

3月は「卒業」のシーズン。進路が決まった方、おめでとうございます!まだの方、あと一息です!

このサイトも受験に向けてがんばっている高校生のみなさん、先生のみなさんのお役に立てることを祈って開設しています。

スタッフ一同がんばっていますので、何かご要望があったらご連絡くださいね。

唐突ですが、「卒業」というキーワードでは、どのような小論文入試が出ているんだろう? と気になり、社内のデータを調べてみました。

一例ですが、こんな結果が出てきました↓↓↓

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◎入学後の勉強への取り組みや卒業後の進路への考え方などについて書け。(北海道自動車短期大学 自動車工業科 一般)

◎あなたが本学の書道専攻に進学してまでも書道を学びたい理由を自分の将来(卒業後)の希望と合わせて具体的に述べよ。(東京学芸大学 中等教育教員 書道専攻 推薦)

◎A村は、高齢化が進んだ山間の豪雪地帯にあり、毎年屋根の雪下ろしが追いつかず、家屋の倒壊が相次いでいた。そこで、A村の近くにあるB大学では、卒業に必要な科目として、学生に対してA村の除雪のボランティア活動を事実上義務付けた。このことの是非について論じよ。(新潟大学 法学部 後期)

◎あなたは、本学卒業後、歯科医師になってから、どんな夢や目標、あるいは大志を実現したいと思うか。複数のイメージでも差し支えない。できるだけ詳しく書け。(大阪歯科大学 歯学部 前期)

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うーん、いろんな問題があるものですね。普段から仕事で入試問題を見ているUもびっくりです。

比較的、志望理由的なものを書かせる出題のなかでよく用いられるようですが、まだ大学に入ってどんな生活が待ち受けているかもよくわからない高校生に「大学卒業後の将来」まで見据えて考えを述べさせるんですね!これは大変です。

しかし、高校生のうちからこうした考えをきちんと整理しておくことはとても大事です。「目標」を持って、ではその「目標」を達成するためにどのような「行動」をとらないといけないかを考える、という作業は、大人になってからも必要になることです(Uの今年の目標は「毎月10キロ走る」です。どうでもいいことですが)。

「近いから」「友達がいるから」といった理由で進路を選んでいませんか? しかし、大学の先生の気持ちになってみれば、「本当にうちの大学でちゃんと勉強する気あるのかな・・・」と思われてしまうでしょう。

大学側にも「お、この受験性はやる気があるなー」と思ってもらえるだけの文章が書けるようにならないといけません。そのためには繰り返し練習することが大切です。

小論文入試でどんな内容が出題されているかを知りたい方は、「入試過去問BOX」をご覧ください!大学がどんな問題を出題しているのか、眺めるだけでも、けっこうおもしろいものですよー。